社会人から看護学校をめざす人にとって、「仕事を続けながら通えるか」は大きな問題です。
結論からいうと、学校や働き方によっては、在学中に仕事を続けることは可能です。
ただし、授業や実習があるため、入学前と同じフルタイム勤務をそのまま続けられるとは限りません。
考えるときのポイントは、
- 授業時間
- 実習
- 学校の就労・アルバイト方針
- 自分の勤務形態
の4つです。
まず、授業時間を確認する
看護学校の昼間課程では、平日の日中に授業が行われるのが基本です。
例えば、日本大学医学部附属看護専門学校では、月曜日から金曜日は9時から16時10分まで授業があり、土曜日にも午前中の授業があります。
そのため、平日の日中に勤務するフルタイムの仕事を、入学前と同じ形で続けるのは難しい場合が多いでしょう。
ただし、「昼間課程だから仕事はできない」と一律に考える必要はありません。
仕事の曜日や時間を調整できるかによって状況は変わります。
実習期間は通常の授業とは別に考える
看護学校では、病院など実際の看護の場で行う臨地実習があります。
実習期間は、通常の授業期間より働ける時間が限られることがあります。
例えば、日本大学医学部附属看護専門学校では、病棟実習は月曜日から木曜日の8時から15時30分まで行われ、その後にも学習時間が設定されています。
また、実習先が学校とは別の場所になることもあります。実際、同校では2026年度の領域別実習で、病棟だけでなく訪問看護ステーションへ向かう学生もいることが案内されています。
学校によっては、実習期間中のアルバイトそのものを制限している場合もあります。
まつかげ看護専門学校では、学業とのバランスを考えたアルバイトは認めていますが、実習開始前1週間を含む実習期間中はアルバイトを禁止しています。
したがって、
通常の授業期間に仕事を続けられても、実習期間も同じように働けるとは限りません。
アルバイトをしながら通っている学生もいる
一方で、在学中のアルバイトを認めている学校もあります。
日本大学医学部附属看護専門学校では、土日祝日や長期休暇などを利用し、学業とのバランスを十分考えたうえでアルバイトをすることは可能としています。
大阪医療看護専門学校でも、病院、飲食店、アパレルなどでアルバイトをしている学生がいると案内しています。
また、学校や関連病院が学生向けの仕事を用意している場合もあります。昭和医科大学附属看護専門学校では、附属病院で病棟看護助手のアルバイトを行っている学生がいることを案内しています。
つまり、
「看護学校に通ったら働けない」というわけではありません。
ただし、どの学校でも自由にアルバイトできるわけではなく、条件や制限は学校によって異なります。
正社員のまま通うことはできる?
社会人受験生の場合、「アルバイトができるか」だけでなく、現在の仕事を続けられるかが問題になります。
特に、平日の日中に勤務するフルタイムの仕事の場合、昼間課程の授業時間と重なるため、入学前と同じ勤務を続けるのは一般には難しいと考えた方がよいでしょう。
一方、
- 勤務時間を短くできる
- 勤務日数を減らせる
- 土日を中心に勤務できる
- シフトを調整できる
- 在宅勤務などで時間を調整できる
といった場合には、仕事を続けられる可能性があります。
重要なのは、正社員かパートかという雇用形態だけではなく、学校の時間に合わせて勤務を調整できるかです。
働き方によって両立のしやすさは変わる
一般的には、次のように考えられます。
| 働き方 | 両立を考えるときのポイント |
|---|---|
| 平日日中のフルタイム | 昼間課程では授業時間と重なりやすい |
| 夜間・早朝勤務 | 授業とは重なりにくいが、休息時間に注意 |
| 土日中心 | 通常授業とは両立しやすい場合がある |
| 短時間・パート勤務 | 授業や実習に合わせて調整しやすい |
| 在宅・柔軟勤務 | 勤務時間を調整できれば可能性がある |
これは「この働き方なら必ず可能」という表ではありません。
特に実習期間は通常授業とは条件が変わるため、年間を通して同じ勤務ができるとは限らないことを前提に考えます。
「働けるか」だけでなく「続けられるか」を考える
時間割だけを見ると、空いている時間に仕事を入れることはできるかもしれません。
しかし、看護学校では授業を受けるだけでなく、
- 課題
- 試験勉強
- 実習の準備
- 実習記録
- 国家試験に向けた学習
などにも時間が必要です。
日本大学医学部附属看護専門学校が公開している学生の1日の例では、授業後にアルバイトをして22時に帰宅し、その後に学習しているケースがある一方、実習日の例では、朝5時に起床し、実習後も記録を行い、18時に帰宅するスケジュールが示されています。
このような例を見ると、単に「勤務できる時間があるか」だけでは判断できません。
働ける時間を最大限に使うのではなく、学業と休息を確保しながら続けられる働き方か
を考えることが大切です。
候補校で確認したいこと
働きながら通うことを考えている場合は、出願先を決める前に、候補校で次の点を確認しておきましょう。
- 通常授業の曜日・時間
- 土曜日授業の有無
- 実習の時期・時間帯
- 主な実習先
- アルバイトや就労に関する学校の方針
- 実習期間中のアルバイト制限
- 長期休暇
- 学校や関連病院での学生向けアルバイトの有無
学校公式サイトや学校案内、募集要項で分からないことは、学校へ直接確認できます。
また、オープンキャンパスでは、教職員だけでなく、在校生と話せる機会が設けられていることもあります。例えば日本大学医学部附属看護専門学校の2026年度オープンキャンパス・学校説明会では、在学生による学生生活紹介や在学生との個別相談が案内されています。
そのような機会に、
「実際にはどのくらいの学生が働いていますか」
「実習期間にはアルバイトをどうしていますか」
と聞いてみるのも参考になります。
在学中に見込める収入を考える
どの程度仕事を続けられそうかが分かったら、在学中にどのくらいの収入を見込めるかを考えます。
例えば、
現在の収入
- 在学中に見込める収入
= 進学による収入の変化
として整理できます。
ただし、通常授業期間だけを基準にせず、実習期間も含めて考えることが重要です。
この収入の変化と、卒業までに実際に必要となる支出を分けて考える方法については、こちらで整理しています。
不足する費用をどう補うか
仕事を続けられたとしても、その収入だけで学費や生活上の支出をすべてまかなえるとは限りません。
また、収入を確保するために働く時間を増やしすぎると、学業や実習との両立が難しくなることもあります。
そのため、必要な費用と在学中に見込める収入を確認したうえで、不足する分をどう補うかを考える必要があります。
自己資金だけでは不足する場合は、奨学金などの制度も選択肢になります。
→ 次に読む:「看護学校で利用できる奨学金」
働き方を変えたり退職して進学したりする場合は、学費だけでなく生活費も含めた資金計画が必要です。
雇用保険の加入歴がある人は、「専門実践教育訓練給付金」を利用できる可能性もあるため、進学前に確認しておきましょう。
(制度情報確認:2026年8月)