社会人から看護師をめざすとき、最初に整理しておきたいのが、
「看護師になるには、どのような進路があるのか」
ということです。
看護師は国家資格です。
そのため、看護師として働くには、看護師国家試験の受験資格を得て、国家試験に合格し、免許を取得する必要があります。
ただし、国家試験の受験資格を得るまでの道筋は一つではありません。
2026年8月現在、厚生労働省が示す看護師国家試験の受験資格には、看護系の大学や、看護師国家試験の受験資格につながる3年以上の看護師養成課程で学び、必要な教育課程を修了するのが基本です。
このページでは、社会人から新たに看護師をめざす人を中心に、看護師になるまでの主なルートを整理します。
看護師になる基本的な流れ
看護師になるまでの基本的な流れは、次のように考えると分かりやすいでしょう。
看護師国家試験の受験資格につながる教育課程で学ぶ
↓
必要な教育課程を修了する
↓
看護師国家試験を受験する
↓
国家試験に合格する
↓
看護師免許を取得する
つまり、看護学校に合格することはゴールではありません。
その学校で必要な教育を受け、修了し、国家試験を受験するところまでが一つの流れです。
社会人から看護師をめざす場合も、この基本構造は同じです。
社会人が新たに看護師をめざす主なルート
高校を卒業した後に社会人となり、現在は看護師や准看護師の資格を持っていない人が看護師をめざす場合、主な進路として考えられるのは、
- 看護系の4年制大学
- 3年以上の看護師養成課程を持つ学校
- 都道府県知事が指定する看護師養成所
などです。
厚生労働省の看護師国家試験の受験資格でも、指定大学、3年以上の指定学校、指定養成所の卒業者等が受験資格の対象とされています。
実際に学校を探すときには、「大学」「専門学校」といった学校名だけを見るのではなく、
その課程を修了することで看護師国家試験の受験資格を得られるのか
を確認することが重要です。
4年制大学から看護師をめざす
看護系の4年制大学で、看護師になるために必要な教育課程を修了し、卒業することで、看護師国家試験の受験資格を得るルートがあります。
4年間学ぶため、看護に必要な専門科目だけでなく、大学としての幅広い教育を受けることになります。
また、大学によっては、看護師以外の資格取得や、その後の大学院進学などにつながる教育課程を設けている場合もあります。
ただし、
大学だから必ず将来有利になる
と単純に考えるべきではありません。
社会人にとっては、
- 4年間通うことができるか
- 学費や生活を維持できるか
- 自分が受験できる入試方式があるか
- その大学で学びたい内容があるか
といった条件も重要です。
大学と専門学校の違いについては、次のページで詳しく比較します。
看護専門学校など、3年以上の看護師養成課程からめざす
もう一つの代表的なルートが、3年以上の看護師養成課程で学ぶ方法です。
厚生労働省の看護師国家試験受験資格では、指定された学校で3年以上、看護師になるために必要な学科を修めた人や、指定された看護師養成所を卒業した人も受験資格の対象となっています。
社会人が「看護専門学校」として探している学校の多くも、このような看護師養成課程にあたります。
4年制大学と比べて修業期間が短い場合があるため、
できるだけ早く看護師になりたいから専門学校
と考える人もいるでしょう。
しかし、修業期間だけで決めるのは早計です。
学校によって、
- 入試
- 学費
- 通学条件
- 教育内容
- 実習環境
などが異なります。
自分にとって3年間の課程が本当に適しているかは、具体的な学校を調べて判断する必要があります。
すでに大学を卒業している場合
社会人受験者の中には、すでに大学や短期大学を卒業している人もいます。
この場合、
すでに大学を卒業しているのだから、看護師になるまでの期間を大きく短縮できるのではないか
と考えることがあるかもしれません。
しかし、一般に、別分野の大学を卒業していることだけで、看護師国家試験の受験資格が得られるわけではありません。
看護師国家試験を受験するには、看護師になるために必要な教育課程を修了する必要があります。
過去に履修した科目の扱いなどは学校によって異なる可能性がありますが、
「大卒だから看護教育そのものを省略できる」と考えない
方がよいでしょう。
社会人として大学卒業後に看護師をめざす場合も、まずは看護師国家試験の受験資格につながる学校・課程を探すことが基本です。
准看護師資格を持っている場合
すでに准看護師資格を持っている人には、一般の社会人とは異なる進路があります。
現在の看護師国家試験受験資格では、一定の条件を満たした准看護師が、指定された大学、学校または看護師養成所で2年以上修業した場合も受験資格の対象となっています。
具体的な条件は、
- 高等学校等を卒業しているか
- 准看護師免許取得後の業務経験
- 進学する課程
などによって異なります。
このルートは、准看護師資格を持っていない一般の社会人が最初から選ぶルートとは分けて考えた方が分かりやすいでしょう。
ここでは、まず「これから初めて看護職をめざす社会人」を中心に説明していきます。
「看護師になる最短ルート」だけで考えない
社会人から看護師をめざすとき、
一番早く看護師になれる方法はどれか
という点は当然気になります。
時間は重要な判断材料です。
しかし、
修業年限が短いことと、自分にとって最適な進路であることは同じではありません。
例えば、3年間の課程であっても、
- 通学に無理がある
- 学費を負担できない
- 入試科目が自分に合わない
- 希望する地域に学校がない
のであれば、実行しにくい進路になります。
反対に、4年間学ぶ大学でも、自宅から通いやすく、入試や学費の条件が自分に合うのであれば、現実的な選択肢になることがあります。
社会人の場合は、
何年で資格を取れるか
だけではなく、
その期間を実際に学び続けられるか
まで考える必要があります。
大学と専門学校の違いは、次に比較する
ここまでで重要なのは、
看護師になるための道筋には複数の選択肢がある
と理解することです。
次に必要なのは、
自分の場合、大学と専門学校のどちらを候補にすればよいのか
を考えることです。
大学と専門学校では、
- 修業期間
- 教育の特徴
- 学位・称号
- 費用
- その後の進路
などに違いがあります。
一方で、個々の学校による違いも大きいため、単純に「大学が上」「専門学校が下」という見方は適切ではありません。
次のページでは、社会人の視点から大学と専門学校の違いを整理します。
→ 次に読む:「看護大学と看護専門学校、どちらを選ぶ?」
(制度情報確認:2026年8月)