看護学校を受験しようと決めても、
「何年も勉強していないので、何から始めればよいのか分からない」
という人は多いでしょう。
高校を卒業してから何年も経っていれば、
- 数学の公式を忘れている
- 英単語が出てこない
- 国語の問題を解く感覚がない
- 机に向かって勉強する習慣そのものがなくなっている
ということも珍しくありません。
そこで、
とりあえず参考書を買おう
中学の内容から全部やり直そう
と考えるかもしれません。
しかし、最初にすることは、参考書を買いそろえることではありません。
まず確認するのは、
自分が受ける学校では、何が課されるのか
です。
そこから逆算して、必要な勉強を始めます。
最初に参考書を買わない
受験勉強を始めようと思うと、書店やインターネットで参考書を探したくなります。
参考書を見ると、
これを最初から最後までやればよいのではないか
と思うかもしれません。
しかし、看護学校の入試科目や出題内容は学校によって異なります。
例えば、
- 国語と数学が必要な学校
- 英語も必要な学校
- 小論文が課される学校
- 面接を重視する学校
などがあります。
一般選抜と社会人選抜でも、必要な準備は違います。
そのため、
受験する学校が決まらないまま勉強を始めると、必要のない範囲まで学んでしまうことがあります。
社会人は、受験勉強に使える時間が限られています。
だからこそ、
何を勉強する必要があるのかを先に決める
ことが重要です。
STEP 1 最新の募集要項で試験内容を確認する
最初に見るのは、志望校の最新の募集要項です。
「看護学校にはどんな入試がある?」、「社会人選抜とは」、「社会人選抜と一般選抜、どちらを受ける?」で確認してきたように、学校によって入試方式や試験内容は異なります。
募集要項で、
- どの入試方式を利用するのか
- どの科目が課されるのか
- 小論文があるのか
- 面接があるのか
- 試験日はいつか
を確認します。
ここで初めて、
自分が何を勉強する必要があるのか
が見えてきます。
例えば、一般選抜で国語と数学が必要なら、国語と数学の準備が必要です。
社会人選抜で小論文と面接が中心なら、それに応じた準備が必要です。
入試方式を決めずに勉強を始めるより、
志望校と入試方式を先に具体化した方が、必要な学習を絞り込みやすくなります。
STEP 2 過去問を見る
試験科目が分かったら、次に過去問を見ます。
過去問というと、
十分に勉強してから解くもの
と思うかもしれません。
しかし、受験勉強を始める前にも役立ちます。
過去問を見ることで、
- どのような問題が出るのか
- どのくらいの難しさなのか
- 何を忘れているのか
- どのくらい学び直す必要がありそうか
を確認できるからです。
この段階では、解けなくても構いません。
むしろ、
解けないところを知るために見る
くらいでよいでしょう。
過去問を見ないまま勉強を始めると、
どこまで勉強すればよいのか
が分かりにくくなります。
先に入試問題を見て、ゴールの姿を確認しておきます。
STEP 3 今の自分の位置を確認する
過去問を見たら、
今の自分がどの位置にいるのか
を確認します。
例えば数学なら、
- 問題文の意味は分かる
- 解き方を思い出せない
- 公式をかなり忘れている
- 中学校の内容から確認した方がよさそう
など、人によって違います。
英語でも、
- 単語はある程度分かる
- 文法を忘れている
- 長文になると読めない
という違いがあります。
ここで重要なのは、
「昔は得意だった」「昔は苦手だった」だけで判断しないこと
です。
長く受験勉強から離れていれば、状況は変わっています。
反対に、仕事や日常生活の中で文章を読む機会が多く、以前より読解力が上がっていることもあります。
まずは、
現在の自分が何をできて、何を忘れているのか
を確認します。
STEP 4 必要な範囲から学び直す
現在地が分かったら、必要な範囲から学び直します。
ここで注意したいのは、
中学1年から高校3年まで全部やり直さなければならない
と考えないことです。
必要な範囲は、
- 志望校
- 入試方式
- 試験科目
- 過去問
- 今の自分の状態
によって変わります。
数学で基礎を忘れていれば、中学校の内容まで戻る必要があるかもしれません。
一方で、すでに理解できている範囲まで最初からやり直す必要はありません。
大切なのは、
「中学1年から」など一律に始めるのではなく、「どこまで戻れば理解できるか」
を見つけることです。
必要なところまで戻り、そこから入試で必要な範囲へ進みます。
最初から完璧をめざさない
久しぶりに勉強を始めると、
基礎から完璧に理解してから次へ進みたい
と思うことがあります。
しかし、受験には試験日があります。
限られた時間の中で、
何をどこまでできるようにするか
を考える必要があります。
分からないところが一つあるたびに長く立ち止まっていると、必要な範囲まで進めなくなることがあります。
もちろん、基礎を飛ばしてよいという意味ではありません。
ただ、
すべてを完璧にしてから次へ進む必要もありません。
一度進み、後から戻って確認することもできます。
受験勉強では、理解を深めながら繰り返すことも重要です。
STEP 5 実際に使える学習時間を考える
社会人の受験勉強では、
何時間勉強したいか
ではなく、
実際に何時間使えるか
を考えます。
仕事をしている人なら、
- 出勤前
- 通勤時間
- 帰宅後
- 休日
などが候補になるでしょう。
家事や育児をしている人なら、毎日同じ時間を確保できないこともあります。
最初から、
毎日3時間勉強する
と決めても、生活に合っていなければ続きません。
まず数日間、
自分の一日の時間の使い方
を見てみるとよいでしょう。
そのうえで、
平日は1時間程度
休日はもう少し確保できる
など、現実的な時間を考えます。
大切なのは、理想的な勉強時間ではなく、
受験まで続けられる時間を確保すること
です。
「まとまった時間が取れないから勉強できない」と考えない
社会人の場合、毎日2時間、3時間とまとまった時間を確保するのが難しいことがあります。
しかし、
勉強はまとまった時間でなければできないわけではありません。
例えば、
- 20分だけ問題を解く
- 通勤中に暗記する
- 昼休みに前日の内容を確認する
といった短い時間も使えます。
一方で、小論文を書く、過去問を通して解くなど、ある程度まとまった時間が必要な学習もあります。
したがって、
短い時間でできる学習と、まとまった時間が必要な学習を分ける
と考えやすくなります。
STEP 6 受験日から逆算して計画を作る
必要な学習内容と使える時間が分かったら、受験日から逆算して計画を作ります。
例えば、
- 基礎を確認する時期
- 入試範囲を学ぶ時期
- 過去問に取り組む時期
- 苦手部分を見直す時期
など、大まかに分けます。
ここで最初から、
4月3日は数学○ページ
4月4日は英語○ページ
というような細かい計画まで作る必要はありません。
予定どおり進まない可能性が高いからです。
まずは、
いつまでに、何ができる状態になっていたいか
を決めます。
そのうえで、1週間単位などで具体的な学習内容を考えていきます。
計画は途中で変えてよい
受験勉強を始める前に作った計画は、
そのとおり実行しなければならないものではありません。
実際に勉強してみると、
- 思ったより基礎を忘れていた
- 数学は早く進んだ
- 英語に予想以上の時間がかかった
- 仕事が忙しくなった
- 志望校を追加した
といったことが起こります。
その場合は、計画を修正します。
計画どおり進まないことを、
自分は勉強に向いていない
と考える必要はありません。
計画は、
現在地と受験日との距離を調整するための道具
です。
状況が変われば、計画も変えます。
勉強時間だけを成果にしない
社会人の受験勉強では、
今日は3時間勉強した
という時間が分かりやすい目安になります。
しかし、勉強時間だけでは、
何ができるようになったのか
は分かりません。
例えば、
- 方程式を解けるようになった
- 英文の構造が分かるようになった
- 過去問の正答が増えた
といった変化も確認します。
「何時間勉強したか」と同時に、
何ができるようになったか
を見ることで、計画を修正しやすくなります。
AIは「分からない」を確認する補助にも使える
現在は、受験勉強に生成AIを使うこともできます。
例えば、
- 分からない用語を説明してもらう
- 数学の考え方を別の言葉で説明してもらう
- 練習問題を作ってもらう
- 自分の理解を確認する質問を作ってもらう
といった使い方があります。
ただし、
AIが示した答えが常に正しいとは限りません。
また、AIを使うこと自体が勉強になるわけでもありません。
ここでは、
分からないところを整理したり、学習を進めたりするための補助として使える
程度に考えておけば十分です。
具体的なAIの使い方については、後のページで詳しく扱います。
まず始めるなら、この順番でよい
何年ぶりかに受験勉強を始めるなら、最初からすべてを決める必要はありません。
まず、次の順番で進めます。
1 志望校の募集要項を見る
どの入試を受け、何が課されるかを確認する。
2 過去問を見る
入試で求められる水準を確認する。
3 今の自分の位置を確認する
何ができ、何を忘れているかを確認する。
4 必要な範囲から学び直す
全部ではなく、自分に必要なところから始める。
5 使える時間を確認する
理想ではなく、現実に続けられる時間を考える。
6 受験日から逆算する
いつまでに何をできるようにするかを決める。
7 進み具合に応じて修正する
計画を固定せず、必要に応じて変える。
この順番なら、
「何から手をつければよいのか分からない」
という状態から、
「自分が今やるべきことが分かる」
状態へ進めます。
受験勉強から何年離れていたかよりも、
今の自分と入試までの距離を知り、必要な学習を始めること
が重要です。
次は、受験勉強と並行して考える必要がある、
「なぜ看護師になりたいのか」「なぜその学校を受けるのか」
を言葉にしていきます。
→ 次に読む:「社会人の志望理由の作り方」