看護学校を受験するとき、過去問は重要な資料です。
ただ、過去問を
「ある程度勉強してから解くもの」
と思っている人もいるのではないでしょうか。
もちろん、学習が進んだ段階では、実際に問題を解いて自分の力を確認するために使います。
しかし、社会人になってから何年ぶりかに受験勉強を始める場合は、
勉強を始める前に、一度過去問を見る
ことにも大きな意味があります。
過去問を見ると、
- どのような問題が出るのか
- どの程度の量や難しさなのか
- 自分が何を忘れているのか
- 何を勉強し直す必要があるのか
が見えてきます。
過去問は、
手に入れる → 勉強前に見る → 学習のゴールと優先順位を決める → 学習後に解く → 受験前に時間を測って解く
というように、受験勉強の最初から最後まで使うことができます。
過去問はまず学校公式の情報から探す
候補校や志望校が見つかったら、まず、その学校の過去問を入手できるか確認しましょう。
最初に見るのは、
学校の公式情報
です。
過去問は、学校によって公開・配布の方法が異なります。
例えば、
- 学校のWebサイトからPDFをダウンロードする
- 入試情報ページで公開されている
- 資料請求で取り寄せる
- オープンキャンパスや学校説明会でもらう
- 学校の窓口で受け取る
といった方法があります。
実際に、昭和医科大学附属看護専門学校では、2024~2026年度の過去3年分の入試問題を、入試方式・科目別に公式Webサイトで公開しています。
一方で、過去問をWebでは公開せず、資料請求やオープンキャンパスなどで配布する学校もあります。
このように、過去問を何年分公開しているかだけでなく、公開方法や解答の有無も学校によって異なります。
そのため、
「Webサイトに載っていないから、過去問はない」
とは限りません。
Webサイトで見つからない場合は、募集要項や学校案内、オープンキャンパスの案内なども確認しましょう。
それでも分からなければ、学校に過去問の有無や入手方法を確認してもかまいません。
学校公式の過去問が入手できない場合は、市販の学校別問題集や、同じような試験科目を課す看護学校の問題、高校基礎レベルの問題集などを補助的に使う方法もあります。
まずは、
学校公式の情報で過去問の有無と入手方法を確認し、公式のものがない場合に別の方法を考える
という順番で探すとよいでしょう。
過去問は勉強を始める前に一度見る
過去問を手に入れたら、
まだ十分に勉強していなくても、一度見てみましょう。
この段階では、全部解く必要はありません。
解けなくても構いません。
目的は点数を取ることではなく、
どのような試験なのか、自分がどこまで分かるのかを知ること
だからです。
例えば、
- 問題数はどのくらいあるか
- 選択式か記述式か
- 長い文章を読む必要があるか
- 計算問題はどの程度あるか
- 小論文はどのような形式か
などを見ます。
同時に、自分自身についても、
- 今でも分かる
- 見れば思い出せそう
- かなり忘れている
- ほとんど分からない
くらいに分けて確認してみましょう。
社会人になってから長い年月がたっていると、
「昔は習ったはずなのに、ほとんど覚えていない」
という内容が出てくることもあります。
それで問題ありません。
この段階で知りたいのは、
今、何点取れるかではなく、どこから勉強を始めればよいか
です。
つまり、
「解くために見る」のではなく、「何が解けないかを知るために見る」
と考えるとよいでしょう。
過去問を見て学習のゴールと優先順位を決める
募集要項で受験科目が分かっても、
「どの程度まで勉強すればよいのか」
までは分かりにくいことがあります。
例えば、数学が試験科目だと分かっていても、
- 基本的な計算が中心なのか
- 文章題が多いのか
- 問題量が多いのか
- 記述まで必要なのか
によって、準備の仕方は変わります。
英語でも、
- 長文読解が中心なのか
- 文法・語彙問題が多いのか
- 英作文があるのか
によって、必要な勉強は違います。
過去問を見ないまま勉強すると、
必要以上に難しい内容まで勉強してしまう
こともあれば、
逆に、必要なところまで勉強が届かない
こともあります。
そこで、過去問を見ながら、
- どの科目を優先するか
- どの単元を復習するか
- 基礎からやり直す必要があるか
- 問題演習を増やす必要があるか
を考えます。
社会人受験では、受験までに使える時間が限られていることもあります。
そのため、
すべての科目、すべての範囲を同じ深さで勉強し直すのではなく、志望校の入試を見ながら優先順位をつける
ことが大切です。
ただし、
過去問に出ていない範囲は勉強しなくてよい
という意味ではありません。
試験範囲は現在の募集要項で確認し、過去問はその範囲の中で、どのような問題が出されてきたかを知るために使います。
受験勉強をどこから始めるかについては、こちらで整理しています。
科目ごとに確認するところは違う
過去問を見るときは、科目によって確認する内容も変わります。
国語
国語では、
- 長文の量
- 漢字や語句の問題
- 選択式か記述式か
- 要約や記述問題があるか
- 試験時間内にどの程度の文章を読む必要があるか
などを確認します。
文章の難しさだけでなく、
問題量と試験時間の関係
も見ておきましょう。
数学
数学では、
- どの単元から出ているか
- 計算量
- 基本問題と応用問題の割合
- 文章題があるか
- 自分が公式や解き方を覚えているか
を確認します。
最初に見たときに解けなくても、
「この単元を忘れている」
と分かれば、それだけでも意味があります。
英語
英語では、
- 長文の長さ
- 文法問題
- 語彙問題
- 並べ替え
- 和訳
- 英作文
などの有無を確認します。
同じ英語でも、長文読解中心の学校と、文法・語彙を幅広く問う学校では、必要な準備が違います。
理科
理科が試験科目になっている場合は、
- 生物基礎・生物など、どの科目が指定されているか
- 用語を問う問題があるか
- 計算問題があるか
- 図や表を読み取る問題があるか
などを確認します。
科目や出題範囲は変更される場合があるため、
現在の募集要項と必ず照らし合わせてください。
小論文
小論文では、
- 課題文を読んで書く形式か
- テーマだけが示される形式か
- 字数
- 制限時間
- どのようなテーマが出ているか
などを確認します。
過去に同じテーマが出たからといって、次も同じテーマが出るとは限りません。
テーマだけでなく、
どのような条件で、自分の考えをまとめる必要があるのか
を見ましょう。
学習が進んだら実際に解き、間違えた原因を確認する
勉強が進んできたら、今度は過去問を実際に解きます。
最初に見たときとは目的が変わります。
この段階では、
- 自力で解けるか
- 学習した内容が身についているか
- どこで間違えたか
- 何がまだ分からないか
を確認します。
ここで大切なのは、
点数だけを見るのではなく、間違えた理由を確認すること
です。
同じ不正解でも、原因は違います。
| 間違えた原因 | 次にすること |
|---|---|
| 知識を知らなかった | 教材で学ぶ |
| 覚えていたが忘れていた | 復習する |
| 解き方が分からなかった | 類題を解く |
| 計算を間違えた | 計算過程を確認する |
| 問題文を読み違えた | 読み方を確認する |
| 時間が足りなかった | 時間配分を見直す |
このように分けると、
「できなかった」で終わらず、次に何を直せばよいか
が分かります。
過去問を、単なる実力判定ではなく、次の学習につなげるために使います。
最後は時間を測って解く
受験が近づいてきたら、過去問を本番に近い形で使います。
できるだけ、
- 本番と同じ試験時間で解く
- 途中で答えを見ない
- 問題を解く順番を考える
- 最後に見直し時間を取る
ようにします。
この段階で確認するのは、
- 最後まで解けるか
- 一つの問題に時間をかけすぎていないか
- どの問題から解くか
- 見直し時間を残せるか
といったことです。
学力があっても、
時間内に最後まで解けなければ、本番では十分に力を出せません。
この段階では、問題を解けるかどうかだけでなく、
試験時間をどう使うか
も練習します。
過去問は何年分見ればよい?
「過去問は何年分見ればよいのだろう」
と考える人もいるでしょう。
しかし、
全国一律に「○年分見ればよい」と決めることはできません。
学校によって、公開している年数が違います。
例えば、昭和医科大学附属看護専門学校では過去3年度分を公開しています。
手に入るのであれば、複数年を見る価値はあります。
複数年を見ることで、
- 問題形式は似ているか
- 問題量は変わっているか
- 科目は変わっていないか
- 出題される内容にどのような違いがあるか
を確認できます。
ただし、
古い年度まで機械的にさかのぼることより、現在の入試方式や試験科目に近い年度を優先する
方が重要です。
過去問を見るときは、その年度と現在で、
- 入試方式
- 試験科目
- 出題範囲
- 試験時間
が同じか確認しましょう。
複数年を見ると、
「この単元はよく出ている」
「この単元は最近出ていない」
と気づくことがあります。
これは学習の参考にはなります。
しかし、
「毎年出ているから今年も必ず出る」
「最近出ていないから今年も出ない」
と判断することはできません。
過去問は、
次の試験を予想するための資料ではなく、これまでどのような問題が出されてきたのかを知る資料
として使いましょう。
過去問は3段階で使う
ここまでの使い方を整理すると、次のようになります。
| 段階 | 使い方 | 確認すること |
|---|---|---|
| 勉強を始める前 | まず見る | 問題形式・難しさ・分からない範囲 |
| 学習中 | 実際に解く | 理解不足・間違えた原因 |
| 受験前 | 時間を測って解く | 時間配分・解く順番・仕上がり |
過去問は、受験勉強の最初から最後まで、目的を変えながら使う資料と考えるとよいでしょう。
過去問を見ると、
「この学校の入試は、自分にとってどの程度難しいのだろう」
という疑問も出てきます。
次は、偏差値だけに頼らず、看護学校の入試難易度をどう考えるかを整理します。
次に読む → 「看護学校の難易度・偏差値はどう考える?」
(学校・入試情報確認:2026年9月)
過去問を受験勉強の出発点にする
2026年改訂版では、過去問を入手して終わりではなく、過去問から「何を勉強するか」を決め、教材を絞り、90日の学習計画につなげる方法を詳しく説明しています。