社会人選抜について調べて、
自分も出願できる
と分かったら、次に考えるのが、
「社会人選抜と一般選抜のどちらを受けるのか」
という問題です。
社会人だから、
社会人選抜を受けるのが普通
と思うかもしれません。
反対に、
社会人選抜は募集人数が少ないから、一般選抜の方がよいのではないか
と考える人もいるでしょう。
しかし、どちらかが社会人にとって有利なのかは、一律にはいえません。
学校によって試験内容も募集条件も違い、受験する人の学力や得意分野、準備できる期間も違うからです。
大切なのは、
「社会人向けの入試かどうか」だけではなく、「自分がどの入試に向けて準備できるか」
を考えることです。
まず「受けられる入試」を確認する
最初に確認するのは、
自分がどの入試を利用できるのか
です。
「社会人選抜とは」で確認したように、社会人選抜には学校ごとの出願条件があります。
社会人であっても、出願資格を満たさなければ利用できません。
一方、一般選抜は、出願資格を満たしていれば社会人でも受験できる学校があります。
したがって、候補校ごとに、
- 社会人選抜を利用できるか
- 一般選抜を利用できるか
- その他に利用できる選抜があるか
を確認します。
まず「使える入試」を確認してから、その中で「どれを使うか」を考えます。
社会人選抜だから有利、とは限らない
社会人選抜という名称を見ると、
社会人向けなのだから、一般選抜より受かりやすいのではないか
と考えるかもしれません。
しかし、
社会人選抜が社会人にとって必ず有利とは限りません。
社会人選抜では、学校によって、
- 小論文
- 面接
- 志望理由書
- 書類審査
- 学力を確認する試験
などを組み合わせて選考します。
募集人数が限られている場合もあります。
また、小論文や面接では、単に社会人経験があるだけではなく、
- なぜ看護師をめざすのか
- なぜ今なのか
- なぜその学校なのか
- これまでの経験をどう捉えているのか
などについて、自分の考えを整理しておく必要があります。
したがって、
「社会人選抜」という名称だけで、自分に向いていると判断しない
ことが大切です。
一般選抜だからと候補から外さない
何年も受験勉強から離れていると、
一般選抜は現役高校生が受けるもの
今さら国語や数学を勉強しても無理
と思うかもしれません。
しかし、社会人であっても一般選抜を受験できる学校はあります。
そして、一般選抜が自分に合うか合わないかは、実際の試験内容を確認しなければ分かりません。
例えば、候補校の一般選抜が、
- 自分が比較的得意だった科目で構成されている
- 試験科目が限定されている
- 過去問を見ると、学び直せば対応できそうである
という場合もあります。
反対に、社会人選抜の小論文や面接に強い苦手意識がある人もいるでしょう。
したがって、
「社会人だから一般選抜は無理」と最初から外さない
ことが重要です。
比較するのは「科目数」ではなく、必要な準備
社会人選抜と一般選抜を比較するとき、
どちらの試験科目が少ないか
だけを見ないようにします。
例えば、
社会人選抜
- 小論文
- 面接
一般選抜
- 国語
- 数学
- 面接
だったとします。
科目数だけを見ると、社会人選抜の方が準備しやすそうに見えるかもしれません。
しかし、小論文を書いた経験がほとんどなく、志望理由もまだ整理できていなければ、相当な準備が必要です。
一方、中学校・高校時代に数学が得意だった人なら、学び直すことで一般選抜の数学に対応できる可能性もあります。
見るべきなのは、
「どちらの科目数が少ないか」ではなく、「自分は何を、どの程度準備する必要があるか」
です。
過去問を見て、自分の現在地を確認する
入試方式を判断するとき、過去問は重要な材料になります。
一般選抜の過去問を見れば、
- どの程度忘れているか
- 解けそうな問題があるか
- どの範囲を学び直す必要があるか
が分かります。
小論文の過去問や課題例が公開されていれば、
- どのようなテーマが出されているか
- 制限時間はどの程度か
- どの程度の文章を書く必要があるか
を確認できます。
この段階で解ける必要はありません。
目的は、
今の自分と、入試で求められる水準との距離を知ること
です。
「社会人選抜だから簡単そう」「一般選抜だから難しそう」という印象ではなく、実際の問題を見て判断します。
受験までにどれだけ時間があるか
同じ人でも、受験までの期間によって選択は変わることがあります。
例えば、一般選抜で複数の学科試験が必要で、
中学校や高校の内容からかなり忘れている
という場合、学び直しには時間が必要です。
一方、社会人選抜でも、
- 小論文を書いたことがない
- 志望理由が整理できていない
- 面接で自分の考えを話すのが苦手
という状態なら、こちらも準備が必要です。
したがって、
受験日までに、必要な準備を現実的に進められるか
を考えます。
ここでも、「社会人選抜なら短期間で準備できる」と決めつけないことが重要です。
自分の得意分野も判断材料にする
これまでの学習や仕事の経験から、自分なりの得意・不得意があるでしょう。
例えば、
- 文章を書く方が得意
- 人と話す方が得意
- 数学は比較的得意だった
- 英語はかなり忘れている
- 読解問題には抵抗がない
などです。
こうした違いも、入試方式を考える材料になります。
ただし、
面接が得意だから社会人選抜
数学が得意だから一般選抜
と、一つの要素だけで決める必要はありません。
試験全体を見て、
自分が準備しやすい組み合わせか
を考えます。
入試日程も比較する
試験内容だけでなく、日程も重要です。
社会人選抜と一般選抜では、異なる時期に入試が行われることがあります。
募集要項で、
- 出願期間
- 試験日
- 合格発表日
- 入学手続期限
を確認します。
複数校を受験する場合は、他校との日程も関係します。
特に注意したいのが、入学手続期限です。
ある学校に合格した後、別の学校を受験する前に入学手続期限が来ることもあります。
そのため、
「試験を受けられるか」だけでなく、その後の日程まで含めて確認する
必要があります。
専願・併願などの条件も確認する
入試によっては、
- 合格した場合は入学することを条件とする
- 他校との併願を認める
- 他の入試方式との併願に条件がある
など、学校独自の条件が設けられている場合があります。
「社会人選抜を受けて、だめなら一般選抜を受けよう」
と考えていても、その受験方法が可能かどうかは学校によって異なります。
必ず、志望校の募集要項で、
複数の入試方式を利用できるのか
まで確認してください。
両方受けられるなら、一つに絞らなくてもよい
社会人選抜と一般選抜の両方を受験できる学校もあります。
その場合、
どちらか一方だけに最初から決める必要はありません。
例えば、
社会人選抜に出願し、結果によって一般選抜も受験する、
という選択が可能な場合もあります。
あるいは、複数校について、
- A校は社会人選抜
- B校は一般選抜
- C校は社会人選抜と一般選抜の両方を検討
という組み合わせになることもあるでしょう。
重要なのは、
「私は社会人選抜で受験する人」と最初に決めてしまわないこと
です。
学校ごとの条件を確認し、利用できる受験機会を整理します。
倍率だけで選ばない
社会人選抜と一般選抜の倍率が公表されていれば、気になるかもしれません。
例えば、
社会人選抜は3倍、一般選抜は2倍だから一般選抜にしよう
と考えたくなることもあるでしょう。
しかし、倍率だけで自分の合格可能性が決まるわけではありません。
倍率は、
- 募集人数
- 志願者数
- 受験者数
- 年度
などによって変わります。
また、試験内容も異なります。
したがって倍率は、
入試を考えるための情報の一つ
として使い、一つの数字だけで入試方式を決めないようにします。
社会人選抜と一般選抜を同じ項目で比較する
迷ったときは、候補校について同じ項目で整理してみると分かりやすくなります。
| 確認項目 | 社会人選抜 | 一般選抜 |
|---|---|---|
| 出願資格 | ||
| 募集人数 | ||
| 試験科目・選考方法 | ||
| 過去問 | ||
| 今の自分との距離 | ||
| 必要な準備 | ||
| 出願期間 | ||
| 試験日 | ||
| 入学手続期限 | ||
| 専願・併願などの条件 |
この表で重要なのは、
「どちらが一般的に有利か」を決めることではありません。
自分が受験する学校について、
どちらなら必要な準備をして受験できるか
を考えるために使います。
「社会人だから」ではなく、自分と入試を照らし合わせる
社会人選抜と一般選抜のどちらを受けるかについて、すべての社会人に当てはまる答えはありません。
判断するときは、次の順番で考えます。
1 利用できるか
- 出願資格を満たしているか
- その入試を利用できるか
2 何が課されるか
- 学科試験
- 小論文
- 面接
- 書類審査
など、実際の選考内容を確認します。
3 どれだけ準備が必要か
- 現在の学力
- 得意・不得意
- 過去問との距離
- 小論文や面接の準備状況
を確認します。
4 受験までに準備できるか
- 試験日までの期間
- 仕事
- 家庭
- 学習に使える時間
を考えます。
5 日程や条件に問題がないか
- 他校との日程
- 入学手続期限
- 専願・併願条件
- 他の選抜との併願
などを確認します。
そのうえで、
自分が利用でき、必要な準備を現実的に進められる入試を選ぶ
というのが基本です。
社会人だから社会人選抜、
学力に自信があるから一般選抜、
と単純に決める必要はありません。
また、条件が許せば、両方を受験候補にすることもできます。
ここまでで、
- 看護学校にはどんな入試があるのか
- 社会人選抜とは何か
- 社会人選抜と一般選抜をどう選ぶのか
を整理しました。
次は、実際に受験へ向けて、
何年ぶりかの受験勉強を、どこから始めればよいのか
を考えます。
→ 次に読む:「何年ぶりかの受験勉強を始める方法」
(制度情報確認:2026年8月)