看護学校への進学を考えるとき、学費は早い段階で確認しておきたい項目です。
ただし、「授業料が年間○万円」と書かれていても、それだけで実際に学校へ支払う金額が分かるとは限りません。
学校によっては、
- 入学金
- 授業料
- 施設設備費
- 実習費
- 教育充実費
- その他の納付金
などが必要になります。
また、初年度と2年目以降では支払う金額が違うこともあります。
そのため、学校を比較するときは、授業料だけではなく、
入学時にいくら必要か、毎年いくら必要か、卒業まで学校へ合計いくら支払うのか
を確認することが大切です。
看護学校の「学費」には何が含まれる?
「学費」という言葉には、学校によってさまざまな費用が含まれます。
主なものは次のとおりです。
| 項目 | 主な内容 |
|---|---|
| 入学金 | 入学時に納める費用。通常は初年度のみ |
| 授業料 | 授業を受けるための費用 |
| 施設設備費 | 校舎・設備などに関する費用 |
| 実習費 | 実習に関して学校へ納める費用 |
| 教育充実費など | 学校によって設定されるその他の納付金 |
ただし、すべての学校が同じ名称・同じ方法で徴収しているわけではありません。
例えば、実習費が授業料に含まれている学校もあれば、別に設定されている学校もあります。
したがって、
「授業料はいくらか」ではなく、「学校へ何をいくら支払うのか」
という見方をする必要があります。
初年度は入学時の費用が加わる
入学した年は、授業料に加えて入学金などが必要になるため、2年目以降より負担が大きくなることがあります。
特に確認したいのは、
入学手続きの時点で、いくら用意する必要があるか
です。
合格後、入学手続きまでの期間が短い学校もあります。
そのため、合格してから資金を準備するのではなく、出願前の段階で、
- 入学金
- 前期授業料
- その他の納付金
- 納付期限
を確認しておく方が安全です。
また、学校によっては分納などの制度を設けている場合もあります。
利用できるかどうかは、学校の最新情報で確認してください。
2年目以降の学費も確認する
学校案内では、「初年度納付金」が分かりやすく掲載されていることがあります。
しかし、進学を判断するときは初年度だけでは不十分です。
入学金は初年度だけでも、
- 授業料
- 施設設備費
- 実習費など
が2年目以降も必要になる場合があります。
3年課程の看護専門学校なら3年間、看護大学なら4年間です。
したがって、
2年目以降に毎年いくら必要なのか
まで確認しておきましょう。
大学・専門学校、公立・私立で学費は異なる
看護師養成課程の学費は、学校の種類や設置者によって異なります。
大学の場合、参考になる公的データがあります。
文部科学省資料では、国立大学の授業料の標準額は年額535,800円、入学料は282,000円です。ただし、国立大学は標準額を基準に各大学が授業料を設定する仕組みなので、すべての大学が同額とは限りません。
公立大学についても大学ごとに異なります。文部科学省による2024年度の全国平均では、授業料が年額536,340円、入学料が388,561円でした。公立大学では、居住地域などによって入学料が異なる場合もあります。
私立大学はさらに学校・学部による差が大きくなります。文部科学省の令和7年度調査では、「保健」分野の初年度学生納付金等の平均は約170万円でした。ただし、この「保健」には看護以外の分野も含まれるため、看護学部だけの平均額ではありません。参考値として見る必要があります。
一方、看護専門学校については、設置者や学校による差が大きく、大学と同じように全国平均だけで判断するのは適切ではありません。
したがって、
「大学なら○万円、専門学校なら○万円」
と決めつけるのではなく、実際に検討している学校の金額を比較することが重要です。
参考資料
- 文部科学省「国立大学の授業料等標準額」
- 文部科学省「公立大学の授業料等」
- 文部科学省「令和7年度私立大学等入学者に係る学生納付金等調査」
学費を比較するときに見る5つのポイント
複数の学校を比較するときは、次の5点をそろえて確認すると分かりやすくなります。
- 入学時に必要な金額
- 初年度の学校納付金
- 2年目以降の年間納付金
- 卒業までの学校納付金合計
- 「別途必要」とされている費用
例えば、次のような表を作って比較できます。
| 確認項目 | 学校A | 学校B |
|---|---|---|
| 入学金 | ||
| 初年度の学校納付金 | ||
| 2年目以降の年間納付金 | ||
| 卒業までの学校納付金合計 | ||
| 別途必要な費用 |
初年度だけを見ると安く見えても、2年目以降の費用を含めると差が小さくなる場合もあります。
逆に、年間授業料だけを見ると高く見えても、他の納付金を含めて比較すると結果が変わることもあります。
同じ条件で比較することがポイントです。
学費は最新の学校公式情報で確認する
学費は変更されることがあります。
そのため、最終的には志望校の最新情報を確認してください。
確認する順番は、
- 最新の募集要項
- 学校公式サイト
- 最新の学校案内
- 分からない場合は学校へ問い合わせる
が基本です。
特に確認したいのは、
- 金額
- 納付期限
- 前期・後期などの支払時期
- 分納の可否
- 入学辞退時の返還条件
- 「別途必要」とされている費用
です。
受験情報サイトや過去の体験談に掲載されている金額は、現在とは異なる可能性があります。
実際に出願・進学を判断するときは、志望校の最新の一次情報を使ってください。
学費だけで「通えるか」は判断できない
ここまで見てきたのは、主に学校へ支払う費用です。
しかし、看護学校へ通うためには、このほかにも、
- 教科書・教材
- 制服や実習着
- 通学費
- 実習に関連する費用
- パソコンやタブレット
- 国家試験対策
- 毎日の生活費
などが必要になることがあります。
社会人の場合は、さらに、在学中に仕事を減らしたり辞めたりすることで、収入が減る可能性も考える必要があります。
したがって、
「学費を払えるか」だけではなく、「卒業まで生活を続けられるか」
まで考えることが大切です。
次は、学校納付金以外も含めて、看護学校に通うために必要となる費用全体を考えます。
→ 次に読む:「看護学校に3〜4年間通うと総額いくらかかる?」
(制度・費用情報確認:2026年8月)