看護大学と看護専門学校の違いが分かってくると、次に考えるのは、
「では、自分はどの学校を受験すればよいのか」
ということです。
看護学校を探し始めると、
「どこが入りやすいのか」
「偏差値が低い学校はどこか」
「倍率が低い学校はどこか」
といった点に目が向きやすくなります。
もちろん、合格可能性は重要です。
しかし、社会人が看護学校を選ぶときには、
受験できるか
だけではなく、
入学後も通い続けられるか
まで考える必要があります。
このページでは、特定の学校をおすすめするのではなく、社会人が候補校を探し、比較し、受験校を絞り込むための考え方を整理します。
最初から1校に決める必要はない
学校選びというと、
第一志望校を早く決めなければならない
と考えるかもしれません。
しかし、最初から1校に絞る必要はありません。
むしろ、最初は複数の候補校を持った方がよいでしょう。
例えば、
- 通学できそうな学校
- 学費の面で検討できそうな学校
- 社会人が受験できる入試がある学校
- 入試科目が自分に合いそうな学校
- 教育内容に関心がある学校
などを挙げて、候補校の一覧を作ります。
そのうえで、
候補校
↓
比較
↓
出願候補
↓
実際に受験する学校
と絞り込んでいきます。
学校選びは、最初から「正解の1校」を当てる作業ではありません。
STEP 1 まず、通える学校を探す
最初に確認したいのは、通学可能性です。
社会人にとっては、学校名や知名度より先に、
その学校へ実際に通い続けられるか
を確認する必要があります。
例えば、
- 自宅からの通学時間
- 交通手段
- 始業時刻
- 帰宅時間
- 実習先への移動
- 家庭との調整
などです。
通学時間が長ければ、授業時間以外に必要な時間も増えます。
また、看護教育には実習があります。
通常の授業だけを見て、
毎日この時間なら通える
と判断するのではなく、実習期間を含めて生活が成り立つかを確認する必要があります。
この段階では、まだ細かな時間割まで完全に把握する必要はありません。
まずは、
現実的に通学候補にできる地域を決める
ことから始めます。
STEP 2 卒業までの費用を確認する
次に確認したいのが費用です。
ここで見るのは、初年度の授業料だけではありません。
社会人の場合、
- 入学金
- 授業料
- 教材等の費用
- 通学費
- 在学中の生活費
- 仕事を減らす、または辞める場合の収入減少
なども関係します。
ただし、このページでは具体的な金額比較までは行いません。
大切なのは、
「入学時に払えるか」ではなく、「卒業まで続けられるか」
という視点で確認することです。
候補校ごとに、卒業までに必要な費用を確認しておきましょう。
学費については「看護学校の学費はいくらかかる?」で、学費以外も含めた卒業までの費用については「看護学校に3〜4年間通うと総額いくらかかる?」で詳しく整理しています。
STEP 3 最新の募集要項を確認する
通えそうな学校が見つかったら、次は最新の募集要項を確認します。
学校選びでは、学校案内や受験情報サイトだけでなく、
その学校が公表している最新の募集要項
を必ず確認します。
見るべき項目は、
- 出願資格
- 入試方式
- 試験科目
- 出願期間
- 試験日
- 合格発表日
- 入学手続期限
などです。
社会人を対象とした選抜があるかどうかも、ここで確認します。
ただし、
社会人選抜があるから、その学校を受ける
と決めるのではありません。
自分が出願資格を満たしているか、どのような試験があるかまで確認する必要があります。
入試方式の全体像については、後のページで詳しく扱います。
→「看護学校にはどんな入試がある?」
STEP 4 過去問を確認する
候補校の入試方式が分かったら、次に過去問を確認します。
過去問というと、
受験勉強が終わってから実力を試すもの
と思われがちです。
しかし、志望校選びの段階でも役立ちます。
過去問を見ることで、
- どのような問題が出るのか
- 難易度はどの程度か
- 今の自分でどこまで対応できそうか
- どの科目をどの程度学び直す必要があるか
を考える材料になります。
つまり、
過去問は、合格できるかを判定するためだけではなく、受験準備の量を知るためにも使う
ということです。
この段階で全問解ける必要はありません。
まずは、
この学校を受験するなら、どのくらいの準備が必要になりそうか
を確認します。
STEP 5 学校そのものを確認する
受験条件だけでなく、学校そのものも確認します。
例えば、
- 教育方針
- カリキュラム
- 実習環境
- 学生への支援
- 国家試験への支援
- 卒業後の進路
などです。
学校公式サイトだけで分からないことは、オープンキャンパスや学校説明会で確認できます。
ただし、
雰囲気が良かった
だけで決めるのではなく、
自分が3年または4年間学び続ける環境としてどうか
という視点で見ます。
また、学校説明会では、学校側から説明される内容だけを聞くのではなく、自分が事前に気になっていた点を確認することも重要です。
オープンキャンパスや学校説明会の具体的な活用法については、別ページで扱います。
STEP 6 候補校を同じ項目で比較する
複数の学校を調べると、情報が混乱しやすくなります。
そこで、候補校は同じ項目で比較します。
例えば、次のような表を作ると整理しやすくなります。
| 確認項目 | A校 | B校 | C校 |
|---|---|---|---|
| 通学可能か | |||
| 修業年限 | |||
| 学費 | |||
| 入試方式 | |||
| 試験科目 | |||
| 社会人対象の選抜 | |||
| 過去問 | |||
| 学校説明会 | |||
| 教育内容 | |||
| 気になる点 |
重要なのは、
一つの条件だけで決めないこと
です。
例えば、
- 通いやすいが学費が高い
- 学費は低いが入試科目が多い
- 入試科目は少ないが通学時間が長い
- 教育内容には魅力を感じるが、実習先が遠い
ということがあります。
学校選びは、複数の条件を組み合わせて考える必要があります。
「偏差値が低い学校」を探すことから始めない
看護学校を探すとき、
できるだけ偏差値が低い学校を選びたい
と考える人もいるでしょう。
しかし、偏差値だけで学校を選ぶのはおすすめできません。
第一に、看護専門学校については、大学のように全国一律で比較できる偏差値情報が十分にそろっているとは限りません。
第二に、入試科目や選考方法は学校によって異なります。
第三に、仮に入学しやすい学校であっても、自分が通い続けられなければ意味がありません。
偏差値や倍率は、
候補校を検討するための情報の一つ
として使います。
それだけで学校の良し悪しや、自分との相性を判断しないようにしましょう。
「国家試験合格率が高い学校」だけで決めない
学校を比較するとき、看護師国家試験の合格率を見ることもあるでしょう。
合格率は参考になる情報の一つです。
ただし、
合格率が高い=自分に最も合う学校
とは限りません。
学校によって、
- 学生数
- 受験者数
- 入学時の状況
- 学習支援
などが異なるため、数字だけで学校全体を評価するのは難しいからです。
国家試験合格率も、複数ある判断材料の一つとして考えます。
学校情報は一次情報を優先する
学校選びでは、インターネット上に多くの情報があります。
口コミサイト、SNS、掲示板、受験情報サイトなどから情報を得ることもできます。
しかし、入試や学費などについては、
学校公式サイトや最新の募集要項を優先してください。
特に、
- 出願資格
- 入試方式
- 試験科目
- 出願日程
- 学費
などは変更されることがあります。
古い受験情報や個人の体験談だけで判断すると、現在の制度と合わない場合があります。
口コミや体験談は、
公式情報では分かりにくい学校生活の参考情報
として使う程度がよいでしょう。
最後に「この学校で学びたいか」を考える
通学、費用、入試、過去問などを確認していくと、
受験可能な学校
はかなり絞られてきます。
しかし、最後にもう一つ考えたいことがあります。
それは、
自分は、この学校で学びたいと思えるか
ということです。
学校の教育方針や学習環境を見て、
- なぜこの学校なのか
- この学校で何を学びたいのか
- 卒業後にどのように働きたいのか
を自分なりに考えてみます。
これは学校選びのためだけではありません。
後に志望理由を整理するときにもつながります。
反対に、
合格できそうだから
という理由しかない学校では、「なぜこの学校なのか」を自分の言葉で説明するのが難しくなるかもしれません。
学校選びは3つの条件で整理する
社会人が看護学校を選ぶときには、次の3つの視点で考えると整理しやすくなります。
受験できる
- 出願資格を満たしている
- 入試方式を利用できる
- 必要な受験準備ができる
通える
- 通学できる
- 費用を負担できる
- 仕事や家庭と調整できる
- 卒業まで継続できる
学びたい
- 教育内容に納得できる
- 学習環境が自分に合う
- 卒業後の進路につながる
この3つが重なる学校を、受験候補として考えます。
「入りやすそうだから」
だけでも、
「有名だから」
だけでもありません。
自分が受験でき、通い続けられ、学びたいと思える学校を探す。
これが社会人の看護学校選びの基本です。
次は、候補校の入試を理解するために、看護学校にはどのような入試方式があるのかを整理します。
→ 次に読む:「看護学校にはどんな入試がある?」