私にとって「偏差値」と言う言葉は、あまり縁がなかったのでいまだに詳しくわかりません。
たとえば偏差値50位は、普通とか、平均点などと言いますが、何人中の何番目にあたるのでしょうか?点数で表すとしたら、何点位なのですか?
また、倍率と関係あるのでしょうか?私の受験する学校は、偏差値が51で並み?なのでしょうが、倍率が3.5倍となっていまして、ちょっと高めと思えます。偏差値が並み程度なのに、倍率が少し高めって…?
偏差値とは、平均点からどれだけ離れているかを数値で表したものです。平均点の偏差値が50になるように作られています。
したがって、平均点が70点のテストなら偏差値の50は70点になります。平均点が35点のテストなら、偏差値50は35点に相当します。
逆に「偏差値50」といういうだけでは、平均点を取ったということはわかりますが、それが何点になるかはそのテストごとに異なりますから、何点になるかは、わかりません。
平均点が70点のテストも35点のテストもありますから、テストにより70点にもなるし、35点にしかならないこともあります。
順位についても、偏差値50がはっきり何番とはいえません。なぜかというと、平均点を取った人が必ず真中にくるとは限らないからです。ただ、そのテストを受験した人数がある程度たくさんで、テストも易しすぎたり難しすぎたりしなければ、大体偏差値50の人が順位でも真中くらいにくるだろうと想像できます。
また、偏差値と倍率は直接には関係ありません。
受験生の数を合格者数で割ったものが実質倍率です。たとえば、3.5倍ということは、「350人受験して100人合格した」という意味です。
倍率は地域や学校の種類(大学、短大、専門学校など)によって異なりますが、看護学校で3.5倍なら、普通の倍率といえるでしょう。倍率5倍を越える学校もたくさんありますから、そういう学校の方から見れば、「いいなあ」と思える倍率です。
ところで、模擬試験を行っているところなら、成績データと共に合否判定も出ますね。
過去データを元に、ある偏差値の人がその学校に合格したかどうかを調べて、それで各学校の「難易度」というものを出しています。たとえば、A看護学校の難易度が55だとします。この数字は、何を意味しているのでしょうか。
難易度と自分の偏差値を比べて、一喜一憂している人がよくありますね。自分の偏差値が56で学校の難易度を超えていると喜んだり、50で全然足りないと志望校の変更を考えたり。
難易度55とは、偏差値55の人がこの学校を受験した場合の合格率が50%、つまり、半分の人が合格するという意味です。
ですから半分の人は不合格です。または、同じ人が二度受験すれば一度は合格できると考えてもよいでしょう。でも、上半身合格、下半身不合格なんて変ですね。
また受験は1回勝負です。したがって その1回きりの試験であなたがどのような成績をとれるかは、偏差値からは正確には推測出来ないのです。
絶えずぶれがあります。
それでも、同じ受験生集団が模擬試験を何回も受ければ、そのデータを元に次回の試験でどのくらいの偏差値をとれるかを予測することはある程度可能です。
しかし、多くの受験生は模擬試験を1回だけ受けて、その1回きりの偏差値で自分の志望校を決めたり、また志望校を変更したりしています。
B看護学校の難易度が55.1、C看護学校の難易度が55.2。
中には「やはりB看護学校の方が受かりやすいでしょうか」と質問する人もあります。
偏差値というのは統計理論に基づいて推計されたデータです。当然、誤差が含まれます。偏差値による進路指導を考案した方の本には次のように書かれています。
偏差値は無名数だから、正式にはたとえば50点のようには呼ばない。偏差値は一般に小数第一位を四捨五入もしくは切捨てて正数位だけで表示する。小数以下を求めても学力テストの性質上統計学的にはまったく意味がない。(『よみがえれ、偏差値』桑田 昭三著 p.83より)
偏差値や難易度は確かにひとつの目安にはなりますが、それだけで志望校を決めるのは、オーバーにたとえれば、小学1年生のテストでその子の将来を判定している親のようなもので、ナンセンスです。
特に看護専門学校の場合は、入試範囲が狭いので、偏差値のぶれは相当大きいと思われます。
今の時期の偏差値40くらいの人で難易度60くらいの学校に合格した人もたくさんいるはずです。
あまり偏差値に振りまわされないようにしましょう。ただし、模擬試験受験は必須ですよ。