看護学校に入学できたら、それで看護婦・看護士の資格が取れるのではありません。看護学校は、専門学校・養成所であろうと短期大学であろうと大学であろうと、そこを卒業することで、看護婦国家試験の受験資格が得られるのです。卒業すれば自動的に資格がもらえるということではないのです。
看護学校で学ぶことをしっかり身につけて、国家試験に合格しなければなりません。
次の表をご覧ください。これは看護婦国家試験の合格率の推移です。
| 年度 |
受験者 |
合格者 |
不合格者 |
合格率 |
| 1981年 |
28,740人 |
27,371人 |
1,369人 |
95.2% |
| 1986年 |
32,533人 |
31,956人 |
577人 |
98.2% |
| 1991年 |
36,042人 |
34,385人 |
1,657人 |
95.4% |
| 1996年 |
45,600人 |
40,927人 |
4,673人 |
89.8% |
| 1997年 |
49,774人 |
43,317人 |
6,457人 |
87.0% |
| 1998年 |
53,052人 |
44,364人 |
8,688人 |
83.6% |
以前はおおむね95%前後の合格率が続いていたのですが、1996年に90%を割り込みそれ以降年々低下傾向にあります。98年度の場合は、なんと5人に1人は不合格という厳しい結果です。
看護婦国家試験は現在年1回の実施ですから、不合格の場合は翌年まで待たなければなりません。では1年後に合格できるのか。
1997年の看護婦国家試験合格状況を詳しく見てみましょう。
| 区分 |
受験者 |
合格者 |
不合格者 |
合格率 |
| 大学 |
1,139人 |
1,089人 |
50人 |
95.6% |
| 短大 |
4,659人 |
4,319人 |
340人 |
92.7% |
| 養成所 |
21,394人 |
19,639人 |
1,755人 |
91.8% |
| 3年課程計 |
27,183人 |
25,047人 |
2,136人 |
92.1% |
これは、皆様が受験する3年課程の新卒者の結果です。最初に示した表では1997年の受験者数が49,774人となっていますが、これは進学コース(2年課程)の卒業生も同じ看護婦国家試験を受験しているためです。
以上は、新卒者の合格状況ですが、それでは既卒者はどうなっているのでしょう。
| 区分 |
受験者 |
合格者 |
不合格者 |
合格率 |
大学 |
26人 |
14人 |
12人 |
53.8% |
短大 |
334人 |
219人 |
115人 |
65.6% |
養成所 |
1,714人 |
1,010人 |
704人 |
58.9% |
| 3年課程計 |
2,074人 |
1,243人 |
831人 |
59.9% |
(出典:http://www.nurse.or.jp/hot/86goukaku.html)
どうですか。厳しい結果ですねえ。看護学校卒業時に合格できないと、翌年受験して合格する率は大雑把に言えば半分です。
看護学校の奨学金で、指定病院にある期間以上勤務すると返済を免除するというのがあります。こうした奨学金を受けて看護学校に通い、国家試験に不合格となるとさらに悲劇的です。勤務したくても資格が取れなかったらどうしようもありません。他の仕事をして返済しなければなりません。
なるかんは、看護職ではありません。看護学校の受験指導を行ってきただけですから、看護婦国家試験については何も知りません。ただ、書店で看護婦国家試験の問題集をパラパラと見た限りでは「??????」さっぱりわかりません。看護学校の入試問題の方がはるかに易しい、いつもそう感じます。
もちろん、入試問題のようにすべて「頭で」処理するのと、看護職のように実習を通して「体で覚える」のとでは、人によって得手不得手があり、一概に比較はできません。それでも「並大抵のことではないなあ」「大したものだ」と感心します。
将来こうした国家試験を受験しなければならないわけですから、「学ぶ力」「学習力」は看護職志望者には不可欠です「数学が何の役に立つの。看護なんかと関係ないでしょ」と考えるのはちょっと単純です。
数学を通して「あなたに学ぶ力があるのかどうか」「新しい事柄や込み入った事柄をきちんと理解し、習得する力があるかどうか」それを、看護学校では見るために数学を入試に課している、まあこういうように考えてください。
学校を卒業して時間が経つと、「勉強しにくくなる」「学ぶことが下手になる」方が多いようです。「勉強がなかなか頭に入らない」「覚えてもすぐ忘れる」こういった声をたくさん聞きます。ただ、本当に「勉強が苦手」「学べない」と思うのなら、看護職はあきらめた方がいいです。看護学校に入ったはいいが、「ついていけません」では、何の意味もないですから。
したがって、2番目の前提条件は、「あなたには学習能力がありますか」「苦手なこと、嫌なことでも、何度も繰り返して身につけることができますか」ということです。どうでしょうか。 |